「お客さまは神様」日本だけ、ドイツでは労働者に感謝 ニューストピックス 「ピンポ~ン」。支局の呼び鈴がなり、インターホンの受話器を取った。相手は宅配便業者。その言葉に面食らった。「2分以内に取りに下りてこないと、届け物は持ち帰る」 支局があるのは6階で、エレベーターは故障中だった。仕方なく階段で1階に下りると、業者は笑顔だ。あきれ気味に「客の所まで配達するのが仕事でしょ?」というと、「客のために仕事はしていない」。またまた驚いてしまった。 思わず、10年前に通った当地の語学学校の講師の言葉が頭に浮かんだ。「ドイツと日本は勤労を大事にする点で似ているといわれるが、実は違う」。日本では「お客さまは神様だ」というが、ドイツでは客がその労働者に「感謝」するものだというのだ。 確かに、概して一人一人の客への応対は丁寧だが、客がレジや窓口に長い列を作っていても勤務終了時刻がくれば閉まったりする。労働者の立場の“強さ”は感じていた。ただ、最近は待っている客が増えると別のレジを開くなど、サービスの向上も感じていた。それだけに宅配業者にはがっかりして、「日本ではありえない」とぼやいたら、妻が切り返した。「日本では“過剰サービス”だと文句を言ってたじゃないの」。顧みるべきは自分の身勝手さなのかもしれない PR