雪の影響で運休が相次ぎ、ダイヤも大きく乱れたJR長崎線。昨夜から列車が動かず、宿泊する場所のない人たちが駅で一夜を過ごすなど利用客は足止めを食らった。肥前山口駅では、長崎方面の運転見合わせで駅に停車していた特急列車の中に泊まった人もいた。

　職員から食料や飲み物が配られたが、仕事で諫早市に向かう予定だった岡山県の60代男性は「暖房は効かず、毛布をもらっても足が冷たいまま。あと40分で目的地だけどもう帰りたい」と疲れ切っていた。

　大雪は企業活動にも影響を及ぼしている。佐賀市内の鉄工所では従業員が出社できず、通常24時間稼働の工場を半日ストップした。同市内の電機メーカーは、航空便が出ないため、製品の出荷ができない状況。

　宅配業者は24日午後から、山間部など一部地域で配送がストップ。天候の回復を待って配送を再開する。

　一方、公共交通機関がストップした影響で、市内のタクシー会社は24日から、配車依頼の電話が相次ぎ、「繁忙期の3倍以上」という好況。ただ、「路面の状態が悪いため、時間指定の予約には応じることができない」という。

　大雪で農作物の収穫が遅れたのに加え、物流も混乱し、スーパーの品ぞろえに影響が出ている。

　佐賀市内のスーパーは雪の影響で通常より1時間遅れで開店。市場で競りに出された商品が極端に少なかったため、イチゴなどの品数が半分以下となり、鮮魚売り場も切り身を中心にして棚を埋めた。

　市場では26日も品薄が続く見込みで、加えて27日は青果市場が休市。スーパーの担当者は「量がそろうのは週の後半になるかもしれない」と危惧した。

　武雄市内でも臨時休業や営業時間を短縮する小売店が目立った。ゆめタウン武雄は24、25日とも閉店を通常の午後9時半から午後7時に繰り上げた。野菜や青果も入荷が遅れ、「ほとんど売る時間がない」状況。一部テナントは従業員が出勤できず臨時休店した。

　コンビニエンスストアにも影響が出た。佐賀市の店舗では、輸送トラックが25日早朝の運行を取りやめ、買いだめする客が増えたことから、おにぎりやパンなどが品薄になった。