春節商戦、日本で3年ぶり活況 円安追い風 ニューストピックス 中国から多くの観光客が訪れる春節(旧正月、1月31日)休暇に合わせ、百貨店や家電量販店、ホテルなどによる商戦が熱を帯びている。一昨年は東日本大震災の影響、昨年は尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる日中関係の悪化で訪日客が激減したが、円安が追い風となり昨年末から徐々に回復傾向。今年は各店とも大幅増を見込んでいる。 伊勢丹新宿本店(東京都新宿区)6階の免税カウンターには1日、長蛇の列ができていた。7割ほどが台湾や香港を含めた中国語圏からの訪日客。北京から婚約者と旅行にきた公務員の男性(26)は、「日本は国民性が気持ち良いし、環境もいい。(日中関係の悪化も)あまり気にしていない」と声を弾ませる。 伊勢丹新宿本店では今年、春節休暇期間中の中国人客による売上高を前年比3倍と予測。免税カウンターでも中国語のできるスタッフを増やし、春節態勢を整えた。 商機到来を受け、普段は敵対する新宿地区の各小売店は共同キャンペーンを展開。伊勢丹や京王百貨店新宿店、ビックカメラなどが参加し、3月末まで共同のパンフレット配布など情報発信を強化し、観光スポットとして人気の秋葉原、銀座から訪日客を奪いたい考えだ。 ホテルも活況を呈する。西武ホールディングス傘下のプリンスホテルでは、東京の品川・高輪地区4ホテルでの中国本土からの春節休暇期間中の宿泊予約が、前年同期比で約65%増と好調だ。 関西地区でも阪急百貨店梅田本店、JR大阪三越伊勢丹、あべのハルカス近鉄本店など5施設が女性に人気の婦人服ブランドやキャラクターグッズの入った中国人向けの福袋(5千~1万5千円)を計約200点用意。パスポート提示と引き換えに購入できる。 一方、財布のひもが緩みがちな旅行客向けにミニツアーを提案する旅行会社もある。JTBは、主に台湾の旅行客をターゲットに、岐阜県高山市から世界遺産の白川郷のライトアップを楽しむ夜間バスツアーを企画。2月中旬までに予定した計6回のツアーはいずれも完売したという。 PR