近江商人商法「産物回し」 ニューストピックス 八幡商業高(滋賀県近江八幡市宇津呂町)の生徒たちが、近江商人の伝統的な商法「諸国産物回し」を7月に東北地方で初めて実践する。滋賀県の特産品を東北で展示販売し、さらに現地で海産物などを仕入れて関東、東海で売り、東日本大震災被災地の復興に貢献する。先人が行った商いを通じて社会に出る力を養う。 産物回しは江戸時代に近江商人が行った商いの手法で、諸国の店舗間で商品を行き来させ、効率良く回転させた。東北は近江商人が仙台など各地に店を開き、商業を活発にした歴史がある。 実践活動は、1~3年生の有志32人が7月24~30日、宮城県石巻市、仙台市、福島県会津若松市、東京都、近江八幡市の夫婦都市・静岡県富士宮市を巡る。滋賀県内で仕入れたひこにゃんグッズや近江上布、信楽焼などの特産品を5都市の催しや施設で販売。石巻、会津若松両市で乾物などを仕入れ、東京都と富士宮市で売る。 八幡商業高は近江商人の子弟が通い、ワコール創業者の故・塚本幸一さんなど多くの経済人を輩出した。評論家大宅壮一が「近江商人の士官学校」と呼んだことでも知られる。産物回しの実践は学校の伝統を生かして生徒の力を伸ばそうと教員が考案。生徒会が「ぜひやりたい」と実施主体となり、生徒から参加者を募った。 生徒たちは13グループに分かれ、10万円を元手に4万円以上の利益を上げ、義援金にするのが目標。仕入れる商品を選んだり、接客を練習するなど準備を進めている。 PR