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GS給油、隣接のコンビニ店員が対応 廃業歯止めへ「駆けつけ型」実証実験

消防庁は22日、石油業界と協力し、ガソリンスタンド(GS)に隣接する小売店の従業員が給油客に対応する「駆けつけ型GS」の実証実験を、今秋にも始める方針を固めた。GSは、給油時に危険物取扱者の立ち会いが義務付けられており、資格者の確保や人件費の負担が廃業の理由の一つになっている。消防庁と業界は実験を通じて隣接店の従業員の兼務でも安全運営できる態勢を探り、廃業に歯止めをかけたい考えだ。




 実験は、今年度内に最大約10カ所で行う。業界団体の全国石油商業組合連合会などが協力する。GSに従業員を常駐させず、隣の農協やコンビニエンスストアなどに危険物取扱者の資格を持つ従業員を置く。車がGSに来たときの従業員への情報伝達方法を検証するほか、監視カメラやインターホン、センサーといった機器をどう組み合わせれば効率的か、複数のパターンで調べる。GSに駆けつけるまでの安全確保策や、従業員が簡単、確実に給油できる方法も検討する。

 こうした方式は、給油時に従業員が立ち会う条件は満たしており、法改正などは不要。消防庁は実験結果を基に、最適な運用やインフラ整備のあり方をまとめ、全国の自治体へ通知する。

 車離れなどを背景にGSの経営は苦しく、廃業が相次いでいる。自治体ではGSが3カ所以下の「GS過疎地」が増えており、3月末現在、東京特別区を除く1718市町村のうち283ある。GS過疎地では、災害時の燃料補給や高齢者世帯への灯油配達の拠点としての機能が失われるとして、対応策が求められている。
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