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「大交易時代」針路探る 沖縄懇話会シンポ

沖縄懇話会は16日、那覇市内のホテルで「沖縄大交易時代の幕開け」と題したシンポジウムを開いた。

基調講演やパネルディスカッションが行われ、沖縄から国内外の市場に商品を発送できる体制を構築する必要性を強調。国際見本市が開ける大規模な展示場を早急に整備することや、食品安全基準に対応した施設整備の必要性などを訴えた。

 日本展示会協会の石積忠夫会長は海外バイヤーの招聘(しょうへい)に沖縄側が出展料を負担している現状から「バイヤーが自費で行きたいというようになれば(見本市として)一人前だ」と強調。誰もが分かる明確なコンセプトを設定することも大切だとして「交易会」の名称に「食材」を入れて「何の見本市なのかがひと目で分かるようにしてほしい」と求めた。

 香港の日本食卸大手「味珍味」のフランキー・ウー会長は、和食が世界無形文化遺産に登録され、ますます日本の食材を求める海外バイヤーが増えると指摘。試食だけでなく、食材の具体的な活用法を提案できるスペースも設ければ「バイヤーも勉強して買うようになる」と話した。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)の中村富安理事は肉類や果物、スイーツなど、品質や味わいで海外産と比べて優位に立てる食材も「自治体間で輸出品目が重なれば、結果的に共倒れする」と指摘。全国的に農産物の輸出強化の機運が高まる中、九州や東北などの広域で輸出品目を取りまとめて「全日本として打ち出してほしい」と訴えた。

 ヤマトホールディングスの木川眞社長は、見本市成功の鍵は「成約した品物をいかに効率的に配送できるかにかかっている」とした。そのためにはスピード、品質管理、配送コストの三つの要素に応えられるインフラ整備が必要と主張。検疫、通関の問題をクリアするため、香港に拠点をつくると説明し、「コールドチェーン(低温流通体系)はアジアに必要で、ハブとなるのは沖縄以外にない」と訴えた。

 県商工労働部の小嶺淳部長は放射能検査や検疫を沖縄で一貫してできれば「日本の農水産物すべてが沖縄経由でアジアに送れる。ぜひ実現したい」と話した。国際物流ハブ拠点を形成するためストックセンターを整備すればメーカーも誘致できるとして、「まずは来年から航空機整備産業の誘致に本格的に取り組みたい」と意欲を示した。
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