〔消費増税〕「負担ばかり」生活不安 ニューストピックス 安倍晋三首相が1日表明した来年4月からの消費税増税。アベノミクス効果を実感できない中での8%への引き上げに、生活への影響を不安視する声が聞かれた。「これ以上の負担増は厳しい」「本当に社会保障に使われるのか」―。県内の子育て世代、年金や生活保護費の受給者からは戸惑いや疑問が相次いだ。 地元の買い物客でにぎわう静岡市葵区駒形通のマルシェあおき。安さと地域密着が自慢のスーパーは年金暮らしの高齢者にとって、財布に優しい憩いの場でもある。 「これからは昼飯なんて、このスーパーでも買えなくなるかも」。同区丸子の男性(77)はそう言って、総菜コーナーで購入したおにぎりを見詰めた。妻とともに月20万円ほどの年金でやりくりしている。消費税引き上げ後を想像すると、おにぎりでさえ“ぜいたく品”に映る。 約50年前に創業した運送会社も仕事の受注が減る一方。経営を引き継いだ長男と会社の将来について語り合うこともある。「国民の大多数は景気回復を感じていない。それなのに、負担ばかり求められている気がする」。竜崎さんはやるせなさをにじませた。 子育て世代も不安を口にする。同市駿河区の主婦(34)が夫と共有するのは軽乗用車。燃費や維持費の安さが決め手だった。夫の仕事や子供の保育園の送迎など、1台を2人で使い回す。ところが、最近のガソリン価格高騰に追い打ちを掛けるような消費税引き上げ。主婦は「車での移動を控えるなど、できる限り出費を抑えるしかない。増税分はせめて約束通り、社会保障に使って」と注文する。 生活保護受給者の声は悲鳴に近い。浜松市中区海老塚の男性(59)は8月から、基準引き下げに伴って毎月7万4260円だった受給額が1280円減額された。さらに消費税増税となれば、日々の食費も事欠くという。男性は「仕事探しに必要な経費さえままならない。経済的に自立したくても、できなくなってしまう」といら立ちをあらわにした。 PR