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株式会社 一新 ISHIN CO.,LTD.

物流拠点:滋賀県彦根市・大津市・京都市・三重県津市  人材サービス   飲食サービス

客離れ危機感で「実質値下げ」の動き

来年4月の消費税増税を前に、流通や外食などの企業で、増税分を商品やサービスの価格へ上乗せしない「実質値下げ」を決める企業が出てきた。消費者の節約志向が根強い中、増税分の価格転嫁は客離れにつながりかねないと判断。実質値下げによる差別化で、売り上げ減を最小限にとどめたい考えだ。




 「98円のペットボトルのお茶は、(消費税が)8%になろうと10%になろうと98円で提供するのが(小売りの)務め」。ダイエーの村井正平社長は3日の会見で、プライベートブランド(自主企画、PB)商品などの価格について、増税分の価格転嫁に否定的な考えを示した。

 同社のPB商品(イオンのトップバリュ含む)は現在約7200品目に及び、上期の売り上げは約360億円。増税分を吸収した場合、PB商品だけでも下期で約11億円分の減益となる計算だが、イオンとのスケールメリットを生かして減益を最小限に食い止める。

 家具小売り大手のニトリも、自社生産のメリットを生かした物流などのコスト削減を徹底。「総額で値上げしない」ことも視野に競合との差別化につなげる。ただ、原則無料としていた大型家具の配送料の見直しは検討するとしている。

 外食でも、サイゼリヤが一部メニューで価格を据え置く。決算会見で堀埜一成社長は、「値上げする商品もあるが、500円の日替わりランチなどは、現在の価格を死守するかどうかでイメージが異なる」として、実質値下げで値ごろ感を演出。「消費税を追い風にする」(堀埜社長)と意気込む。

 価格据え置きの背景にあるのは、増税後の消費冷え込みに対する企業側の危機感だ。消費者の低価格志向が続く中、「メーカーが容量を減らして価格を維持するのは共通の流れ」(ダイエーの村井社長)と、値上げへの抵抗感は根強い。

 ただ、円安などで原材料価格が上昇するなど、コスト削減の企業努力も限界に近い。業界内では「価格転嫁しないのは難しい」(ライフ)との見方も広がっており、各社は今後、競合の動きをにらみながらの難しいかじ取りを迫られる。
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