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株式会社 一新 ISHIN CO.,LTD.

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普通免許で6・5トン要望、トラック業界の事情

トラックの運転を巡り、運送業界などから、普通免許で運転できる総重量を現行の5トン未満から6・5トンへ引き上げるよう求める声が上がっている。





 ハイブリッド化などで総重量が5トン以上のトラックが増え、免許を取得して間もない高校新卒者らが運転できなくなり、雇用にも影響しているという。警察庁は有識者の検討会を発足して議論を始めたが、慎重論も出ている。

 運転免許は、車体の重さと積載量を合わせた総重量が5トン未満に対応した「普通免許」、5トン以上11トン未満の「中型免許」、11トン以上の「大型免許」の3種に分類されている。普通免許は18歳以上なら取得できるが、中型免許の取得要件は普通免許を取ってから2年となっている。

 運送業者や宅配業者が集配で多用する積載量2トンクラスのトラックの大半は、総重量5トン未満だったが、最近は、積載量が変わらないのに総重量5トン以上が増加。財団法人「自動車検査登録情報協会」によると、全国のトラックのうち、総重量5トン以下は2002年に73%(約576万台)を占めたが、12年には67%(約410万台)に減少した。

 配送先の店舗などが排ガスを嫌うケースが増え、保冷の必要な商品を扱うコンビニも普及。環境に配慮してトラックのハイブリッド化に必要なバッテリーを装備したほか、荷台に冷凍・冷蔵装置を置くトラックも増え、車体そのものが重くなる傾向があるという。

 運送会社でつくる「全日本トラック協会」(東京)は、「普通免許で運転できるトラックが減り、高校新卒者を雇いづらい状況にある」と指摘。全国高等学校長協会も「新卒者の就職の機会が狭まっている」と主張し、ともに普通免許で総重量6・5トンまでの運転を認めるよう求めている。

 これに対し、普通免許で運転できる総重量をむやみに引き上げると、事故抑止に逆行するという見方もある。トラック1万台あたりでみると、総重量5トン以上8トン未満では11年までの4年間で平均1・19件の死亡事故が発生し、5トン未満の2・6倍に上る。

 総重量が増えると、ブレーキが利きにくくなり、車体の大型化でバックや方向転換にも技能が必要となる。警察庁は「トラックを安全に運転するには、一定期間の経験が必要」としており、中型免許は普通免許の取得2年後という現行制度は、この考え方に基づく。
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