内閣府が２９日発表した２０１０年度の県民経済計算によると、全都道府県の１人当たり所得（県民所得）の全国平均は前年度比１．３％増の２８７万７０００円となった。プラスは３年ぶり。リーマン・ショック後の景気の落ち込みから回復していた時期で、企業業績の改善が増加に寄与した。

　都道府県別の順位は、１位が東京の４３０万６０００円。２位は滋賀で、以下静岡、愛知、茨城と続いた。最下位は沖縄の２０２万５０００円だった。

　ただ、１１年３月の東日本大震災で、被害が甚大だった岩手、宮城、福島３県の県内総生産は大きく押し下げられた。順位を見ると、福島は２７位（前年度は２８位）と上がったが、宮城は３５位（同２９位）と後退し、岩手は４４位と横ばいだった。

　１人当たり県民所得は、雇用者報酬と財産所得、企業所得の合計を人口で割った金額。地域間のばらつきを示す変動係数は１３．５％で、５年連続で格差が縮小した。