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長時間労働、抑制めざす トラック輸送業の県協議会設立

慢性的な長時間労働が課題になっているトラック輸送業界の長時間労働抑制の実現を目指す県協議会が設立し、27日、山形市のホテルメトロポリタン山形で第1回会合が開かれた。運賃の下落などが一因になっていることから取引環境改善も目標に掲げ、トラック運送事業者・団体や行政機関だけでなく、荷主や経済団体を加えて構成。中央と各都道府県に同様の協議会を設置し、全国で具体的な環境整備を進める狙いだ。





 労働基準法の改正に伴い、月60時間超の時間外労働に対して、2019年4月から中小企業も50%(現行25%)の割増賃金を支払わなければならなくなるのを前に、トラック輸送業界の長時間労働抑制に向け、全国で始まった取り組み。

 トラック輸送は国内貨物輸送の大半を担い、国民生活、経済を支える重要な役割を果たしている。一方でほとんどが中小企業で、規制緩和により参入事業所が増える中、過当競争で運賃が下落。結果人件費が削減され、ドライバーの1時間当たりの賃金は他産業の労働者より3割低いとの調査結果もあるという。荷主側の都合に合わせるために発生する集荷・配達時の待ち時間や、倉庫内への運び入れといったサービス作業もあり、慢性的な長時間労働につながっている。

 毎月勤労統計調査地方調査(2014年)によると、県内の運輸・郵便業は全産業平均に比べて年間総実労働時間が340時間長い。

 本県の協議会は、山形労働局と東北運輸局山形運輸支局、県トラック協会の3者が共同で事務局を担当し、運輸会社や荷主側企業の代表者を含めた13人で構成。高木郁郎日本女子大名誉教授が座長に選出された。この日の会議では「深夜や早朝の業務が多いのに賃金が安く、求人を出しても応募がない。ドライバー不足は深刻な状況」「高速バスでは運転手1人当たりの走行距離・時間が制限され、安全確保の費用が価格に反映されたのに、トラック輸送ではそうした制限・動きがなかったことに疑問を感じる」などの意見が出された。

 今年秋には長時間労働の実態調査が行われ、19年3月までに実証実験の実施、ガイドラインの策定・普及を進める予定。
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