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ヤマトホールディングス <9064> 傘下のヤマト運輸は、全国約4000営業所のうち約200カ所で「クール宅急便」の温度管理ルールが守られていなかったことを10月25日、発表した。 常温での仕分け作業などが定めた規定時間以上に長時間にわたっていたという。同社では、すべての施設、営業所に対して再度ルールを徹底させるほか、より精度の高い調査を実施し、11月中に抜本的な改善策を策定するとしている。
■ 改善策を実施していたものの・・・・
クール宅急便をめぐっては、これまでも類似の違反事案が起こっている。その度に同社では改善策を実施してきたにもかかわらず、今回新たに発覚した事案を踏まえると、改善策に不備があったことや現場に指示が恒常的に徹底されない構造上の問題があるといえる。同社の経営管理責任が大きく問われる。
今回は、内部告発(ヤマト運輸関係者が朝日新聞社に映像を提供)により発覚した。朝日新聞社が入手した映像によると、9月に都内の営業所で撮影されたもので、高さ約1.7メートルの保冷用コンテナがいくつも開け放たれた状態で仕分け作業が行われていたり、「冷蔵」「冷凍」のシールが貼られた荷物がそのまま外に放置されていたりする、社内規定の違反行為の実態が映し出されていた。
ヤマト運輸では、2000年から「530(5分以内、30秒以内)仕分け」といわれるクール宅急便を仕分ける際の社内基準時間ルールを実施している。
これは、(1)コールドボックス1本(荷物は30~50個程度入る)当たりの仕分け作業時間(コールドボックスから荷物を取り出す時間)を5分以内、(2)宅急便センター仕分け時(コールドボックスから運送車両に積み替える、もしくはコールドボックスからクール仕分け用コンテナに積み替える)に外気に触れる時間として30秒以内と定めている。
クール宅急便の輸送は、(1)ベース(全国69カ所の主管支店)間の幹線輸送、(2)ベースと管轄下のセンター(営業所)間、(3)営業所と顧客間、の大きく3つに分かれる。うち、ベース間の幹線輸送とベース-営業所間は、冷凍・冷蔵の保冷機能のある「コールドボックス」で運ぶ。ベース内では大型の「クール宅急便仕分け室」が用意され、そこで荷物を仕分ける。だが、営業所には設置スペースの問題もあって同様の大型仕分け室がなく、コールドボックスから仕分けする際に外気に触れるため、「530仕分け」の社内基準を設けていた。
■ 徹底していなかった社内ルール
25日に同社が全国約4000ある全営業所に実施した緊急聞き取り調査によると、規定時間を超えて荷物を常温にさらしているなど、「530仕分け」の社内ルールを順守していなかった営業所が全国約200カ所(全営業所の約5%)にのぼったことが判明した。同社広報課によると、「朝日新聞からの映像や聞き取り調査からの結果を踏まえ、『530仕分け』を改めて検証する必要がある。仕分け作業を行う現場人員の問題以上に、最終的に作業全体を管理・チェックする機能が働いていなかったことが大きい」としている。
営業所などの現場からは「お中元やお歳暮などの繁忙期には人手も足りず、社内基準とおりに運用できないことが多い」との声も聞かれる。同社では現在詳細な調査を開始しており、この「530仕分け」が運用上順守できない状況があるなら、その要因を調査し、場合によっては、「530」仕分けの基準内容そのものを見直すなど、抜本的な改善策を11月中に打ち出す意向だ。