西日本も翌日配達 ヤマトと連携、生鮮品販路拡大 ニューストピックス 西日本にも翌日配達--。青森県産の生鮮食品の販路拡大に向けた取り組みが始まる。青森県とヤマト運輸は24日、新たな物流体制を確立するための連携協定を結んだ。翌日午前中に配送可能なエリアは東北地方に限られていたが、協定によって本州全域に拡大。翌日午前に届けられる地域の「人口カバー率」は7.5%から84.7%と10倍以上になる。輸送時間の大幅短縮で、高品質な県産品の市場拡大が期待される。同社が物流の仕組みづくりで自治体と協定を結ぶのは全国初。 新たな輸送体制では、青森-仙台間にトラックによる昼間の陸送便を新設。仙台から首都圏には陸送、中部以西の本州・四国・九州には大阪(伊丹)への空輸など、既存の輸送体制と組み合わせる。また、全日空の沖縄国際物流拠点を活用し、翌日配送可能なエリアをシンガポールやマレーシアなど東南アジアにも広げる。 これにより、県内で午前中に集められた生鮮品などは、従来は「翌日午後」だった首都圏だけでなく、早くても「翌々日」だった中部・関西・四国・中国まで、翌日午前中の配送が可能になる。九州も翌日午後には配送できる。 県によると、青森は首都圏や関西圏の一大消費地から遠い「地の不利」があり、特に西日本へは生鮮品出荷が難しい。今後、県は生産者や消費地へのPRを支援し、県外流通が少なかった生鮮品の小口需要掘り起こしを狙う。 県庁での協定調印式で、三村申吾知事は「早く確実においしく運ぶという新しい物流のあり方を実証する画期的な第一歩」と強調。同社の加藤佳之東北支店長は「青森の新鮮な農水産物を日本中、世界中に届け、輸送そのものの付加価値を高めたい」と話している。 PR